ゲノム編集食品について話し合いました

2022年7月10日収録 すみこと洋子の女の人生劇場

放送日は、7月19日(火)から7月24日(日)の、火曜日は朝7時、金曜日は朝7時と夜8時、土曜日は朝9時、日曜日は昼の1時です。再放送は7月28日(木)8月3日(水)8月9日(火)8月15日(月)の各々夜の8時です。

前回はジョセフ・エサティエさんをゲストに招いてmy body my choiceについて聞きました。自分の体のことは自分で決める権利があるというものです。何を食べるか、どの食品を選ぶかは自分で決めていい、それは基本のキだよね

そうですね。みなさん、ご存知でしたか?ここ日本では最近、ゲノム編集の食品が解禁されました。本日のすみこと洋子の女の人生劇場はmy body my choiceの視点からこの問題を取り上げます

今は食品添加物の表示が昔よりずっと進化しました。最近化学調味料を使用していない缶詰を見つけました。「保存料を使用していません」というものも珍しくはありません。しかし40年以上前、私が二人の子供を育てていた頃は、無添加のものが欲しいなら特別の店に行くか取り寄せるか、大変でした。でも今はまた、新しい問題があるのですね。孫が心配です。

ゲノム編集は新しい技術です。ギャバトマトをネットで調べると、シシリアンルージュハイギャバは新しい品種改良技術の一つとして知られるゲノム編集技術CRISPR/Cas9を利用して作られたトマトです。GABAはアミノ酸が普通のトマトよりは多くて、血圧高めの人におすすめですと書いてあります。トマトとしても売っていますが、ジュースやピュレ〜にも加工されています。苗も無料で希望者に配っています。

トマトだけでなく、最近、新聞で「ゲノム編集の真鯛とトラフグ」の記事を見ました。真鯛はデブだったけど、切り身にしたらわからないね。大丈夫でしょうか。

日本政府の立場は、遺伝子の変異は自然界でも時々起こることだから、遺伝子の一部を破壊してもそれは自然に起こる変異と同じであるとみなして、安全かどうかの検査はしないと決めました。

安全性の検査をいっさいしないのですか?

そうです。安全性検査はありません。行政は企業の届出を受理するだけです。表示の義務もありませんから、遺伝子の改変された食品であるのか、昔からの自然な食品であるのかの見分けは、一切できません。

遺伝子の改変を、とてもいい技術だと手放しで認めているのですね。それにしても何の表示もなされていないというのはどうでしょう。まだわからないことの多い、研究段階の技術ではないですか?

人体への影響ですが、調べてみました。既存のアレルゲンが生まれていないかを確認してはいるそうです。けれど、新たなアレルゲンが生まれていないかは実験しないとわからないのですが、現時点では実験例は公開されていません。また、当然、狙っていない遺伝子を破壊してしまうことがあります。それから狙い通りに遺伝子が破壊されても、その後、想定とは異なるタンパクが作られたという事例の報告もあります。アレルギー、自己免疫疾患などの原因となりうる可能性も否定できません、ということでした。

欧州では、安全性について疑問が出されているので、まだ流通していないと聞いています。

遺伝子組み換え技術の食べ物に対する欧州の厳しい基準からゲノム編集を除外しようとしているのですが、どうなるでしょう。日本ではすでに除外されてしまって、人体実験が始まっていると言えるでしょうね。

大丈夫かな。心配な人はどうしたらいいでしょう。メスしか産まない鶏とか、食用の巨大コオロギを育てる実験も始まっていると雑誌で読みました。すごい勢いですね。

届出だけで販売が始まるので、たくさんのゲノム編集食品が実用化を目指しています。しかもこの技術は、全く、何の表示義務もないので、スーパーの売り場だけでなく、種や苗の段階から見分けがつきません。だから、生産者の人たちが、ゲノム編集の種だと知らずに栽培して販売することにもなります。

このままでは、消費者が自分の食べるものを自分で選ぶことができない、my body my choiceの原則が全く無視されていると思います。

そこで始まった市民運動について、ここでご紹介したいです。

市民運動が始まったのですか?

ゲノム編集ではない、昔からの自然な種を植え付けたいと思う生産者と、ゲノム編集ではない自然な食品を食べたいという消費者の両方を守るために、最近、オーケーシードマークの活動が始まりました。オーケーシードプロジェクトで調べてみてください。

オーケー・シード・マーク ですか?

そうです。たくさんのゲノム編集作物が実用化を目指していますから、今後このマークを探しましょう。

オーケーシードで検索したら、すぐに出ました。

第一に、農家や家庭菜園でゲノム編集の種と知らずに育ててしまう心配があります。あるいは、第二に、ゲノム編集作物の花粉が飛ぶあるいは、虫で運ばれて、交雑の恐れがある。そうすると、第三に、ゲノム編集に厳しい国には輸出できなくなる、そんな心配もあります。

たくさんのゲノム編集食べ物を本気で実用化させようとしているのですね?

そうですよ。届出さえすればいいのですから。あとは企業が特に効果を狙った遺伝子の性質について、キラキラした宣伝文句で販売するだけです。

トマト、真鯛、トラフグがもう、流通しているのですね。

そうですよ。世界ひろしといえども、魚が流通しているのは、まだ日本だけです。

日本政府は前のめりなのですね。

そうですね。

狙った遺伝子を破壊すると言っても、先ほどの話のように、副産物の新しいアレルゲンとか、新しいタンパクとか、意図しない改変が起きて、人間の健康に害を及ぼす心配があるから、欧州ではとても慎重に議論されているのですよね?

そうです。ゲノム編集の食べ物は輸出できないことになるかもしれませんね。日本人の人体実験ですね。

マークをつける運動はアメリカでもすでにあるそうですね。

アメリカは、元々遺伝子組み換えそのものに何の表示義務もない国です。そこで人々が自分たちでノン・GMO・マーク、つまり、遺伝子組み換え、ゲノム編集ではないことを示すマークを作って運動を始めました。今では大きな市場を形成しているそうです

日本のオーケーシードプロジェクトも私たちの生活に根を張れるといいですね。

はい、そうだね。私たちは、せめて、何を食べているのかは知りたいですし、選びたいです。

ゲノム編集はまだまだ未熟な遺伝子工学で安全性は議論の途上ですと、そのことだけでも、知ってよかったです。今日の一曲はなんですか?

鮫島有美子で「愛の讃歌」お聞きください。