「戦争と女性」ゲスト:ジョセフ・エサティエさん

てにておラジオ6月26日収録「女の人生劇場」ゲストにジョセフ・エサティエさんを迎えて「戦争と女性」をテーマに話し合いました。放送日時は、7月12日(火曜日)朝7時、7月15日(金曜日)朝7時と夜8時、7月16日(土曜日)は朝9時、7月17日(日曜日)は午後1時から1時間がてにておラジオです。ジョセフさんゲストの「すみこと洋子の女の人生劇場」は、30分経った、後半の30分です。30分のうち、最初は、my choice my body、次に、戦争と女性をテーマに話し合います。

日本では昭和の初期に普通選挙が始まりましたが、女性は選挙権をもらえませんでした。その理由の一つに、「女は本来的に平和主義者であり、それ故、選挙権付与は戦争の邪魔になるという陸軍参謀本部の反対があったことは忘れるべきではない」と、星野安三郎さんという憲法学者が50年前の本に書いておられました。

Is that true? Their argument is interesting.

Yes, that’s right. はい、そうです。女性選挙権は敗戦後に始まりましたね。そして今では、ほぼ世界中の女性たちが選挙権を持っています。これって重要ではないですか?

I agree. 

Women’s vote must be crucial when we face various difficult challenges. 

I think humanity is at a crossroads. We are at a place in our history when we must make important decisions. Above all about how to stop the war in Ukraine from becoming a nuclear war.

困難な問題に直面している現在、女性の投票権は決定的に大事です。人類は今、歴史の分かれ目に来ています。重要な決断をしなければならない時代です。何よりもまずはウクライナの戦争を止めないといけません。核戦争へとエスカレートする危険性もあるのですね。いろんな意味で人類の歴史の曲がり角に来ているとジョセフさんは言っています。

A next step, I think, that is necessary for human survival, is to actually make human rights equal, for all people, both men and women. It is hard for me to imagine humanity surviving without women’s help.

この人類の生存がかかっている危機の時代に女性の投票権だけでは足りないとジョセフさんは言われるのですね。

女性の力を借りずにこの人類の危機を生き残ることはちょっと想像できないとジョセフさんは言われました。

男女ともに選挙権はあります。しかしその上で、次のステップは、女も男も含めた全ての人々に平等な人権があるのかということを考えないといけない

At a crossroads of humanity, I think the size of this injustice is massive. 4,000,000,000 people.

男女平等が実現してない世界では、この不平等の犠牲になっている人の数が多すぎる。世界の人口の半数、40億人の声、女性の声が無視されているわけです。

What change do you expect, Joseph?ジョセフさんは、どんなふうに変わるといいとお考えですか?

Sometimes I meet women who do great work, building a new and better society. Yet they receive little in return for their work. Often, men receive credit, and the gifts of the women are forgotten. But the women keep working! When I meet these women, I feel hope.

確かに男性たちはその、有償無償の活動に応じて、社会的な地位やその活動への正当な評価を受け取っていますね。それに比べて女がやった仕事は往々にしていつの間にか男の手柄になって、女たちはその名前を残すこともなく忘れられていく。それでも女たちは活動をやめない。ジョセフさんはこの女たちの情熱を貴重なものだと思われたのですね。

より良い社会を実現するために、報われなくても働き続ける女たちに出会うと、そこに希望を感じるとジョセフさんは言われました。

And I think, “What if society rewarded these women, how would society change?”

そしてもし社会が、これらの女性たちに報いる社会だったら、今とはどんなに違う社会になるだろうかと、ジョセフさんはお考えになった。

Men who have dreams of progress and a bright future society must now end this domination of women, and give up our stupid privileges, and fairly include women in important positions, as leaders and so on

社会の進歩と輝く未来を望む男なら、今こそ、男ばかりの社会を変革しようではないか。

男たちが、女を仲間として一緒に働けるようになったら社会は大きく変わるだろう。男たちが手にしている特権はour stupid privileges重要な地位から女を排除している男の特権は、愚かしい特権だと言われました。

公平に女性を受け入れよう。重要な地位、指導的な地位にも女性を受け入れよう。

If we can do that, there will be a revolution, a peaceful revolution.

もしそれができるなら、それは革命です。平和な革命です。

男たちが女を仲間として見るようになったら、女性への暴力も減っていくでしょうか。Do you think that if it comes true, violence against women can be perished?

The “Statue of a Girl of Peace” points at men and says, “Stop this violence against women!” How special this statue is! Many men do not want to see the statue because it makes them feel guilty. That's why they say, “Take it away!” It is easy to see this, in fact, because I am a man.

ジョセフさんのお言葉です。平和の少女像、チマチョゴリを着て椅子に座っている少女の像ですが、この少女像は男性たちに向かって、女性への暴力をやめてくださいと、言っています。この少女像は他のものとは全く違います。多くの男性たちは、見たくないです。見ると罪悪感を覚えるからです。だから、撤去せよと叫んでいるのです。私は自分が男だから、よくわかります。

そうか。戦争の暴力も、それから女性への暴力も、男の支配という世界のありようと深いつながりがあるのだね。

I believe that as there are more women in the political arena, society will change. All over the world, plans for gender equality are in motion.

ジョセフさんは、政治の分野に、もっと女性が増えれば、やっぱり社会は変わると信じている。だからこそ今、世界中で、ジェンダー平等社会を目指した動きが起きているのだよと言われました。

女が正当に評価され男女が仲間として、活動できるようになると、人間社会に静かな革命が起きるかもしれない。そして、そのためには、男のほうが変わらなければね、というお話を伺いました。

お別れの時間が来ました。ジョセフエサティエさんと人類の未来について話しました。

今日の一曲、忌野清志郎「花はどこへ行った」をお送りします。