だらっと憲法カフェは、3人の女性が運営する定期的な勉強会の記録です。思想性はフェアトレードとフェミニズムと平和。そして生き方を絶えず求める。自分の人生をどう作っていくのかを問い続ける。その学びの場です。

3人は、それぞれに、アメリカの第9条の会のDr. Chuck Overby(オーバビー博士)を知り合いました。

オーバビー博士は、オハイオ大学の工学部を退職後、地域の市民講座を受けて日本国憲法を学び、武力の放棄を定めた第9条に目の覚めるおもい、彼は第二次世界大戦と朝鮮戦争で軍人でしたから、この条文の先進性に、目が覚めたのです。

戦争をなくしたいと願う人たちは多いが、どうしたら戦争をなくせるのかは、難しい。しかし、9条のように、どの国も、自分の国の憲法に、武力の放棄、交戦権の否認を書くことで、法の力で戦争をなくすことができる!

「何という英知だ!」それが彼を奮い立たせました。戦争をなくしたいと願う世界の人々に伝えたい。

彼は1991年にアメリカで第9条の会を創設し、日本の中部大学でご縁のあった勝守夫妻が、日本でも第9条の会を創設しました。アメリカの第9条の会と日本の第9条の会が手を携えて、ほぼ2年に一回、オーバビー博士を日本に招聘、彼は時には夫妻で来日。ある時、第9条の会のシンボルマークの図案「article9の文字のリボンを鳩が口に持って地球をめぐるシンボルマーク」を発表された時、ご夫婦とご家族の合作との発表がありました。彼は、日本の各地で定期的に講演活動をされ、武力の放棄など、空気のように当たり前だった90年代の日本人に、その思想の先進性を伝えました。思い返すと、90年代に第9条の会に集った世代は主に戦争を知っている世代の人たちでした。そして、21世紀になると、戦後世代が中心になりました。

オーバビーさんの最後の日本講演は、2007年5月から6月。勝守夫妻は引退され、この時は、いろんな人たち、日本の平和運動の各界の人たちが、彼の講演旅行を歓迎しました。招聘主催者はおらず、講演旅行のマネージメントは彼自身が行い、1人で来て皆の歓迎を受けました。

フェアトレードのお店で販売していた折りたたみ式の封筒、一枚の紙にタイプをして文字面を中に折りたたむと、そのまま封筒になるものでしたが、すっかり気に入って、ずっと見つめていました。

2017年にお亡くなりになって、私たち3人は、翌年の3月に「偲ぶ会」を開きました。思い出を語りあい、それ以来、定期的に、勉強会を継続しています。「だらっと憲法カフェ」の始まり。

最初に、「思想性は、フェアトレードと、フェミニズムと、平和」と、書きました。

21世紀になって25年ほど、経ちました。地球は、かつて、人間の生存に適した気候を提供していましたが、変動期を迎え、海水温も上昇を始め、地上の気候も安定を失い、気候変動の大きなうねりを始めた様子です。人間世界も、日本だけでなく、世界中が、アメリカも、欧州も、ロシアも、中国も、ラテンアメリカもアフリカも、アジアも中東も、世界中が、20世紀の一つの安定、秩序を失い、大きな波乗りの時代を迎えている様子です。

気候変動の時代には、大きな災害が襲うかもしれません。人間が戦争を始めて、それが止まらなくなるかもしれません。戦争や災害は、人々の心を惑わし、人々は、道に迷うでしょう。でも、その時に、私たちは、フェアトレードとフェミニズムと平和の三つの柱をしっかり握りしめて、次の時代への道を探していこうと考えています。

自己紹介終わり。(2025年3月22日)